1.参加者:4名
2.場所:白井駅前センター 研修室1
3.実施内容:
①学習内容:
教材『カウンセリング練習帳ー人間関係システム視点ー』(水野修次郎著、ブレーン出版)を使用。
第6章 家族カウンセリング 91P
1-セルフの分化
家族カウンセリングで注意が必要なのは、家族の機能レベルを評価する目安。その目安となるのが、ボウエンのいう分化の程度。
(1)セルフの分化
家族一人ひとりの分化が不十分だと、家族の情動が一つの大きな固まりとして作動する。
分化がある程度達成されている家族の人間関係は、互いの違いを尊重し独立した人格としてお互いを認める。
<練習6-1>
家族の人間関係では、どのような場合に一体化しようとする力が働くか考える。
各自で考えて発表。
- 両親が不仲な子供が、怪我をして両親の関心を引く
- 母親と息子の仲が良い場面に父親が登場。母と息子の関係が変化
- 戦時中など危機があると一体化して今より仲が良くなる
- 子供の病気など、家庭内に問題が起こると全員を同じ方向に向かわせようとしてお互いを修正しようとする
解説:家族の中の不安が強くなると「分化」の力より「一つになろうとする力」の方が強く働く。
不安を感じると個人は、不安の程度に従って自動的に、反射的に不安に駆られて行動するようになる。
この行動をボウエンは、情動の反発性とか情動の反射作用と呼んでいる。この情動は本能に近く、ほとんど自動的に行動するようになる。
<練習6-2>
分化の程度を計測する目安となるものがあるか。あるとすればそれは何か。
解説:分化の程度を計る目安となるものに以下二つがある。一つはその人の両親が出生家族からどの程度分化しているか。
もう一つはその人自身が両親、兄弟、その他の重要な親類からどの程度分化しているか。
一体化の圧力が低いとその人は自分で考え行動し、感じるようになる。
1)分化レベル
0~25:この範囲の人は主に感情の世界に住んでいる。生活のエネルギーの大半が、愛情を得ているか、あるいは愛情を注いでいるかという思いに費やされる。
25~50:これから分化していける能力がある。自己の信念や確信がないので流行の考え方を受け入れてしまう。「思想カメレオン」。
50以上:知性のシステムが出来上がっていて、自己で意思決定ができる。
60以上:場に応じて「知性のシステム」と「情動のシステム」を選ぶことができる。
75~95:不適応の症状を出さずに、強いストレスがあっても安定した生活ができる。
95~100:このような高い分化を達成した人は今まで観察したことはないが、理論上ではこのレベルの分化は可能。
<参加者より>
- 「分化」という概念を始めて聞いた。
- 知人に分化について当てはまると思われる人がいる。
②近況報告・時事問題:
- コロナの影響でメンタル不調者がさらに不安を感じて体調を悪化させている事例がある。自殺者が増える懸念。失業者が徐々に増えてきており求人は減っている。
- コロナウィルス感染での死亡者よりインフルエンザや車の事故での死亡者のほうが多い。感染が長期化しそうなので正しく予防するしかない。
- インターネットの活用について。通販をうまく活用して外出を減らしている(価格面でお得になるメリットも)。
- 一方で中国のような国による監視は心配。頭の中で自由に考えることもできなくなるのでは。
- インターネットは検索履歴の削除ができる。
- 公認心理士・認定心理士と精神保健福祉士の学習内容や資格取得後の活躍の場について。
- 「寂しい」「孤独」と感じるときはどんなときか。秋に寂しさを感じるのは日没が早いから?、夏が終わってしまうという感情?
- 秋のおいしい食べ物を思い浮かべるので感じない。考え方次第か。
- 職場で自分の考えに賛同してもらえない時に孤独を感じる、など。
4.次回について
〇実施項目:①家族カウンセリングDVD視聴 ②カウンセリング練習帳を用いた学習を継続 ③参加者からの相談、検討したいテーマ(時事問題など)について
〇日時・場所:9月26日(土)予定
14:00~17:00/白井駅前センター 研修室2