2020年8月24日月曜日

2020年8月22日(土)実施報告、9月26日(土)予定

1.参加者:4名

2.場所:白井駅前センター 研修室1

3.実施内容:

①学習内容:

教材『カウンセリング練習帳ー人間関係システム視点ー』(水野修次郎著、ブレーン出版)を使用。

第6章  家族カウンセリング 91P

1-セルフの分化

家族カウンセリングで注意が必要なのは、家族の機能レベルを評価する目安。その目安となるのが、ボウエンのいう分化の程度。

(1)セルフの分化

家族一人ひとりの分化が不十分だと、家族の情動が一つの大きな固まりとして作動する。

分化がある程度達成されている家族の人間関係は、互いの違いを尊重し独立した人格としてお互いを認める。

<練習6-1>

家族の人間関係では、どのような場合に一体化しようとする力が働くか考える。

各自で考えて発表。

  • 両親が不仲な子供が、怪我をして両親の関心を引く
  • 母親と息子の仲が良い場面に父親が登場。母と息子の関係が変化
  • 戦時中など危機があると一体化して今より仲が良くなる
  • 子供の病気など、家庭内に問題が起こると全員を同じ方向に向かわせようとしてお互いを修正しようとする

解説:家族の中の不安が強くなると「分化」の力より「一つになろうとする力」の方が強く働く。

不安を感じると個人は、不安の程度に従って自動的に、反射的に不安に駆られて行動するようになる。

この行動をボウエンは、情動の反発性とか情動の反射作用と呼んでいる。この情動は本能に近く、ほとんど自動的に行動するようになる。


<練習6-2>

分化の程度を計測する目安となるものがあるか。あるとすればそれは何か。

解説:分化の程度を計る目安となるものに以下二つがある。一つはその人の両親が出生家族からどの程度分化しているか。

もう一つはその人自身が両親、兄弟、その他の重要な親類からどの程度分化しているか。

一体化の圧力が低いとその人は自分で考え行動し、感じるようになる。

1)分化レベル

0~25:この範囲の人は主に感情の世界に住んでいる。生活のエネルギーの大半が、愛情を得ているか、あるいは愛情を注いでいるかという思いに費やされる。

25~50:これから分化していける能力がある。自己の信念や確信がないので流行の考え方を受け入れてしまう。「思想カメレオン」。

50以上:知性のシステムが出来上がっていて、自己で意思決定ができる。

60以上:場に応じて「知性のシステム」と「情動のシステム」を選ぶことができる。

75~95:不適応の症状を出さずに、強いストレスがあっても安定した生活ができる。

95~100:このような高い分化を達成した人は今まで観察したことはないが、理論上ではこのレベルの分化は可能。

<参加者より>

  • 「分化」という概念を始めて聞いた。
  • 知人に分化について当てはまると思われる人がいる。


②近況報告・時事問題:

  • コロナの影響でメンタル不調者がさらに不安を感じて体調を悪化させている事例がある。自殺者が増える懸念。失業者が徐々に増えてきており求人は減っている。
  • コロナウィルス感染での死亡者よりインフルエンザや車の事故での死亡者のほうが多い。感染が長期化しそうなので正しく予防するしかない。
  • インターネットの活用について。通販をうまく活用して外出を減らしている(価格面でお得になるメリットも)。
  • 一方で中国のような国による監視は心配。頭の中で自由に考えることもできなくなるのでは。
  • インターネットは検索履歴の削除ができる。
  • 公認心理士・認定心理士と精神保健福祉士の学習内容や資格取得後の活躍の場について。
  • 「寂しい」「孤独」と感じるときはどんなときか。秋に寂しさを感じるのは日没が早いから?、夏が終わってしまうという感情?
  • 秋のおいしい食べ物を思い浮かべるので感じない。考え方次第か。
  • 職場で自分の考えに賛同してもらえない時に孤独を感じる、など。

4.次回について

〇実施項目:①家族カウンセリングDVD視聴 ②カウンセリング練習帳を用いた学習を継続 ③参加者からの相談、検討したいテーマ(時事問題など)について

〇日時・場所:9月26日(土)予定 

14:00~17:00/白井駅前センター 研修室2




2020年8月2日日曜日

2020年7月25日(土)実施報告、8月22日(土)予定


1.参加者:4名
2.場所:白井駅前センター 研修室2
3.実施内容:
①学習内容:
家族カウンセリングDVD視聴 『説き明かし・私の家族面接 初回面接の実際』
(1)前回に続き、福山和女先生(ルーテル学院大学 総合人間学部教授)編

<面接者による介入とフィードバック>
9)カウンセリングの途中で先生から座る位置の変更を提案:
     家庭内で両親の葛藤を見たときに娘は自室に移るなどして両親の葛藤を避けていた
     ことから、先生は両親 の間の葛藤が、娘が耐えられるのかを確認。娘が同じ場での
     カウンセリングの継続に同意したことで、娘が耐えられることを読み取る。
   また、先生は母親の正面に座り母親を支える役割を意図した。

10)娘が生まれる前、両親の出会いや妊娠当時について家族それぞれに質問:
       娘は結婚の経緯を知らなかったため、主に両親に質問。
     結婚は恋愛で、娘の妊娠を一番に報告したのは父親で、ケーキを買ってきてくれた
       ことなどが話される。
     先生がそのことを要約し、娘に「すごく期待して生まれた」ことを伝える。
       出生の原点を聞くことは、娘が自分の存在意義を知る重要なことである。

11)カウンセリングのまとめと今後の進め方について:
       先生が、今後5~6回のカウンセリングが必要と考えていること、今日は結論は
       出ないと伝えると、父親から「次はいつか、頻度はどの位か」などと質問が出た
       ため、先生は「お父さん、急いでいらっしゃいますね」と切り返す。
     今後の進め方について両親と娘に参加意思を確認。また、先生は今日の
       カウンセリングに参加していない息子の参加も提案。
     父親はADHDの息子が落ち着いて参加できないことを懸念しており、娘の相談なの
       に息子を連れてくることが必要なのか疑問がある様子。
     この場面について先生は、父親について「カウンセリングの場」であることを理解
       しておらず、息子とのことと言いながら、自分の孤立を訴えたかったと読みとる。
     加えて父親は、先生に何度くる必要があるのかを尋ねるなど、人の権威を使おうと
       していると読み取る。
     この場面の振り返りを両親と娘にも実施。
     父親「息子を連れて来ていいと言われ世界が広がったような気がする」
     母親「落ち着きがない息子を連れてくるのは心配だが、娘が気持ちを明らかにして
       いる ので息子もそうなって欲しい」
     娘「学校に行っていない自分を見ている弟も学校に行きたくないと言っているので、
       ここでいい影響を受けて欲しい」

12) 母親からの訴え「家に帰り娘にどう接したらいいか」という質問への対応:
       先生は娘に、「お祖母ちゃんにお母さんが、あなたのことを相談したらどう答える
       と思う?」と質問。
     この意図は「今の問題は家族で解決するのもので、私は解決者ではない。
       そのことを意識させるため視点を家族に戻す」狙い。
     また、母親の、父親(娘にとって祖父)の喪失体験が大きく、夫が
       受け止めてくれないため娘に向いているが、娘はまだ思春期で受け止めきれず
       逃げている、とも読み取る。

<最後に全体のまとめとして解説>
・構造的家族療法の形式で面接が展開
・セラピストは母親をフォローしている
・人間は1人ではなく多くの複合体でできていることが理解できる
・家族の力を信じ、家族にゆだねている

②近況報告:
・コロナウィルス感染や若手俳優の自殺の件などについて話し合った。

4.次回について
〇実施項目:①家族カウンセリングDVD視聴 ②参加者からの相談、
  検討したいテーマ(時事問題など)について

日時・場所:8月22日(土)予定 14:00~17:00白井駅前センター研修室1




【産カ北チ】2020年9月26日(土)実施報告、10月24日(土)予定

1.参加者:4名 2.場所:白井駅前センター 研修室1 3.実施内容: ①学習内容: 教材『カウンセリング練習帳ー人間関係システム視点ー』(水野修次郎著、ブレーン出版)を使用。 第6章  家族カウンセリング P97~102 1-セルフの分化 家族カウンセリングで注意が必要なのは、...