1.参加者:4名
2.場所:白井駅前センター 研修室1
3.実施内容:
①学習内容:
教材『カウンセリング練習帳ー人間関係システム視点ー』(水野修次郎著、ブレーン出版)を使用。
第6章 家族カウンセリング P97~102
1-セルフの分化
家族カウンセリングで注意が必要なのは、家族の機能レベルを評価する目安。その目安となるのが、ボウエンのいう分化の程度。
(2)実質セルフと仮セルフ
実質セルフはゆっくりと形成され、それを変化させるのは自己の内側だけで外からの影響や強制では変えることができない。
仮セルフは見せかけのセルフで、他人から得られた知識や信念を借りて形成される。情動的な圧力で形成されているので外からの情動的な圧力で変化する。
分化レベルの高い人は実質セルフの割合が大きく、仮セルフの割合が小さい。分化の低い人はこの逆。
他人の仮セルフと自己の仮セルフは融合しやすくお互いに不安を伝播させ共振する。あまりにも融合すると窒息状態となりやがて反発する。ひどい状態になると関係を断絶する。
<練習6-4>
3つの夫婦関係を図で示す。
- 分化が低く実質セルフが少なく融合している関係
- 実質セルフが大きく分化が進む関係
- 分化が低く融合関係を強く望むが、融合関係が密着し過ぎて苦しいので反発し、断絶した関係
解説:分化の低い夫婦の図は、セルフの多くが融合してどちかかの背景に隠れてしまう。分化の高い夫婦は融合の割合が低く個人の自由が大きくなるが親密さを保つことができる。
絶縁状態になると二つの図には大きな隔たりがあり冷たい関係となる。
(3)基本的文化と機能的文化
分化には2つあり、一つは生まれの家族である原家族に由来する基本的な分化。もう一つは分化程度が高く機能の高い人を模倣したり影響されたりして借りてきた機能的文化。
基本的分化は教育や訓練によって高めるのが難しく、変化させるにはかなりの自己訓練と内省が必要。
機能的分化は配偶者やリーダー等から借りた分化レベル。影響を与える人の分化レベルが高いと個人の努力や教育によって高めることができるが、影響が薄れるとすぐに元の基本的分化レベルに戻る。
<練習6-5>
- 自分が生まれた家族から高いレベルで分化しているかどうか考える
- 自分の分化レベルはどのような行動によって判断できるか
- 分化が高い家庭(社会)は、外からのストレスに対してどのように対処るすか
解説:カウンセラーとして成長するためには、生まれた家族から分化して無意識のうちに情動的に反発する行動を少なくすることが一番能率の良い方法。
感情的な反発行動が出現した時に、現実の両親や兄弟に反応しているのか、自分が創ったイメージに過剰に反応しているのか考えてみる。
<参加者より>
「転移」も考えられる
<練習6-6>
親から拒絶され、適切な愛情を得ていないと感じている子供(中学2年生の女子)に対し、どうしたらその気持ちを克服できるかを考える
両親は疎遠で関係は断絶している。両親ともそれぞれの親と断絶している。
解説:この夫婦の行動は、自分が変化するというより、周りの人間を思い通りに変化させることで問題を解決しようとしている。
他人を変化させることが困難な場合、自分が引きこもるか、趣味や仕事に没頭して問題から逃げる。
過去、両親と断絶することで問題を解決した人は、問題解決を情緒的に距離を置くことで解決しようとする傾向がある。
<参加者より>
・両親は子供の気持ちを理解していない
- 子供が分化レベルを上げるには、親の立場の理解が必要ではないか(13、14歳でそれは可能なのか)
- 親子双方の話を聞かないとわからない
- カウンセラーとしてこういった相談を受けた場合、背景に基本的分化・機能的分化といった問題があることも知識として知っておく必要があると感じた
- アドラーの夫婦関係についての考え方に「尊敬と感謝」がある
- この夫婦の妻は困っているようだが、夫は改善しようと思っているのか
②近況報告・時事問題:
- 認定心理士の学習と資格取得のプロセスについて
- 経済状況について(自動車産業が衰退したら日本の産業はどうなるのか)
- 情報技術について。個人情報の取り扱われ方について・コロナウィルスの感染について。参加者が風邪・インフルエンザとの症状に違いについての一覧など、新聞記事を配布
- 来年のオリンピック開催は妥当なのか など
4.次回について
〇実施項目:①カウンセリング練習帳を用いた学習を継続 ②参加者からの相談、検討したいテーマ(時事問題など)について
日時・場所:
10月24日(土)予定
14:00~17:00
白井コミュニティーセンター
(★いつもの2ヶ所ではありませんのでご注意ください★)
0 件のコメント:
コメントを投稿