2020年3月4日水曜日

2020年2月29日(土)実施報告、3月28日(土)予定

1.参加者:4
2.場所:西白井複合センター研修室
3.実施内容:

(1)学習内容:家族カウンセリングDVD視聴 『説き明かし・私の家族面接 初回面接の実際』

中村伸一先生編(中村心理療法研究室室長)

<初回面接>
中学2年生の娘(ip)が夏休みから不登校となり、学校に相談した母親が中村心理療法研究室を紹介され、父親(夫)を伴い3人で来訪。

中村先生(CO)はまず、面接を申し込んだいきさつから質問。
学校に行けなくなったのは中2の夏休みからで、部活(テニス)は中1から行っていない。娘は「お母さんに誘われ、断るり理由はないので来た。緊張している」。

CO:学校に行けないことをどう思う?
娘:行けるならいきたいけど好きな場所ではない
母親:来年受験だから、たくさん休むと大変

COの質問で、学校の担任、養護教諭とスクールカウンセラーで方針に違いがあることが判明。

休み始めた当初は授業に関するプリントや友達からの手紙が届けられていたが、スクールカウンセラーの「今は様子を見よう」という判断で担任訪問やプリント配付が停止。

また、面接の中で両親の関係が浮かび上がる。
主に母親から、仕事を理由に娘の不登校について無関心な父親を非難する発言がたびたび出る。

例えば
「今日は心配しているから来たのか、私たちの悩みに関心がないと思った。何をいまさら、という感じ。今日だけ良い父親になっちゃって」など。

COは、これに焦点を当てず、学校側の足並みがそろっていないことを指摘すると共に、学校側が父親に期待していることがあるから今日の面接同席を勧めたのではないか。もし希望するなら、次の面接も約束し、その場に担任と養護教諭の同席を提案。

娘は「養護教諭は話しやすい。来てくれて話せないことを話してもらえたらうれしい」と同意。

COから次回の面接に担任と養護教諭を呼ぶ役割を父親に依頼。普段担任と話していない父親は戸惑いを見せたため、まず母親が電話し、その後父親に代わる方法をアドバイス。今日のまとめや今後の方針も説明。具体的にはスクールカウンセラーにも協力して欲しいと考えている。

娘に対し⇒不登校を心配している父の気持ちが理解できたか。プリントは持ってきてほしいと自分で伝えられるよう頑張ってほしい

など。

面接の終盤、COは「爆弾質問」と前置きして娘に学校に行けなくなった理由・きっかけについて質問したところ、女子のグループに入れず孤独感を感じていると答えた。

これを受け、COは思春期の女子によくあることで、とても大事な試練であると解説。

次回の約束と本日のおさらいをして面接を終了。

<面接の要点をピックアップして解説>
  1. 面接室に机は置かない:体のメッセージ(例えば貧乏ゆすりなど)がわかりやすい。
  2. 相談に来た経緯を聞く:誰が誰に勧められて来ているのか。関連人物の関係がわかる。
  3. 父親は何の情報で来たのか:面接に参加した気持ち・動機がわかる。
  4. 本人(娘)の出向くときの足取りが重いのか、軽いのか。担任や養護教諭との接触はどの程度なのか。
  5. 本人の学校復帰への気持ち。早く戻りたいのか、ゆっくりしたいのか、戻りたくないのか:本人のスピード感を確認。
  6. 学校側の足並みをそろえる必要性を伝える:家族システムと学校システムのかみ合わせの改善が不登校の解決に重要。
  7. スクールカウンセラーの「様子を見よう」という発言は良くないと思い指摘したが、父親が同調したのでそれ以上踏み込むのはやめた。
  8. 家族の意向と、本人のスクールカウンセラーに対する意向の確認:家族のネガティブな感情が今後スクールカウンセラーとの接点で出るのはよくない。
  9. 学校側の足並みの揃わなさを確認:できるだけ双方が歩み寄って協力して進めたい。という中村先生の目標を説明。
  10. 娘の気持ちを確認:娘の独りぼっち感に母親が初めて気が付いた(本人の意向に添っていない介入をしていることの明確化)。娘も「自分の気持ちがやっと親に伝わった」
  11. 両親の関係(母親が父親の悪口を言う):娘の不登校を早く解決したいので、あえて母親の訴えは聞かない。両親はじめ関係者の足並みが揃えばいい。
  12. リフレーミング:父親に対する母親の何をいまさら」という発言をいよいよという時にお父さんが登場」言い換え伝え返す。
  13. 面接に担任・養護教諭を参加させる:不登校の対策に関係者が集まることは有効。 中村先生の存在を利用して父親に頼んでもらう。
  14. 爆弾質問「クラスで何かあったの」:本人が面接に馴染んだのを見計らって。涙を流す娘に、父親からティッシュを渡してもらう。中村先生から父親への「ここで一肌脱いでほしい」というメッセージ。
  15. トイレ友達の話:思春期はトイレに友達と連れ立って行くが、これは思春期心性の一つで、その友達がいない孤独感を両親にわかってもらうための心理教育。
  16. 両親や先生に協力してもらえる自分が変わればこの先の人生が変わる:試練を乗り越えて強くなれれば先々の人生が変わるという勇気づけ・保証。エンパワーして面接を終わる。
<中村先生からのメッセージ>
  • 家族、本人、学校のどれか一つを問題視しても問題解決にはならない。ギアをうまく組みあわせることが重要。潤滑油の役割。
  • 爆弾発言は、本人にとって安全な構造を作ってから。
  • 家族関係など、壊れていないならあえてそれは直そうとしない。


<参加者の声>
  • こんなアプローチもあるんだ、と視野が広がった。
  • 壊れていないならあえてそれは直そうとしないという発想は勉強になった。


2)時事問題討議
  • 野田の虐待事件について。難しいケースもあると思うが、相談を受ける側は威圧的に迫ってくる人物に対しては、警察とも連携して断固屈しない姿勢が必要。
  •  組織も体制を整えてほしい。専門職の体制(少人数で対応している)や処遇の改善は必要。
  • 映画「告白」で虐待を取り扱っている。


(3)次回について
〇実施項目:
①カウンセリング練習帳を用いた学習を継続 
②家族カウンセリングDVD視聴 
③参加者からの相談、検討したいテーマ(時事問題など)について

〇日時・場所:328日(土)予定 
14001700
白井駅前センター研修室2











【産カ北チ】2020年9月26日(土)実施報告、10月24日(土)予定

1.参加者:4名 2.場所:白井駅前センター 研修室1 3.実施内容: ①学習内容: 教材『カウンセリング練習帳ー人間関係システム視点ー』(水野修次郎著、ブレーン出版)を使用。 第6章  家族カウンセリング P97~102 1-セルフの分化 家族カウンセリングで注意が必要なのは、...