2020年9月29日火曜日

【産カ北チ】2020年9月26日(土)実施報告、10月24日(土)予定

1.参加者:4名

2.場所:白井駅前センター 研修室1

3.実施内容:

①学習内容:

教材『カウンセリング練習帳ー人間関係システム視点ー』(水野修次郎著、ブレーン出版)を使用。

第6章  家族カウンセリング P97~102

1-セルフの分化

家族カウンセリングで注意が必要なのは、家族の機能レベルを評価する目安。その目安となるのが、ボウエンのいう分化の程度。

(2)実質セルフと仮セルフ

実質セルフはゆっくりと形成され、それを変化させるのは自己の内側だけで外からの影響や強制では変えることができない。

仮セルフは見せかけのセルフで、他人から得られた知識や信念を借りて形成される。情動的な圧力で形成されているので外からの情動的な圧力で変化する。

分化レベルの高い人は実質セルフの割合が大きく、仮セルフの割合が小さい。分化の低い人はこの逆。

他人の仮セルフと自己の仮セルフは融合しやすくお互いに不安を伝播させ共振する。あまりにも融合すると窒息状態となりやがて反発する。ひどい状態になると関係を断絶する。

<練習6-4>

3つの夫婦関係を図で示す。

  1. 分化が低く実質セルフが少なく融合している関係
  2. 実質セルフが大きく分化が進む関係
  3. 分化が低く融合関係を強く望むが、融合関係が密着し過ぎて苦しいので反発し、断絶した関係

解説:分化の低い夫婦の図は、セルフの多くが融合してどちかかの背景に隠れてしまう。分化の高い夫婦は融合の割合が低く個人の自由が大きくなるが親密さを保つことができる。

絶縁状態になると二つの図には大きな隔たりがあり冷たい関係となる。


(3)基本的文化と機能的文化

分化には2つあり、一つは生まれの家族である原家族に由来する基本的な分化。もう一つは分化程度が高く機能の高い人を模倣したり影響されたりして借りてきた機能的文化。

基本的分化は教育や訓練によって高めるのが難しく、変化させるにはかなりの自己訓練と内省が必要。

機能的分化は配偶者やリーダー等から借りた分化レベル。影響を与える人の分化レベルが高いと個人の努力や教育によって高めることができるが、影響が薄れるとすぐに元の基本的分化レベルに戻る。


<練習6-5>

  1. 自分が生まれた家族から高いレベルで分化しているかどうか考える
  2. 自分の分化レベルはどのような行動によって判断できるか
  3. 分化が高い家庭(社会)は、外からのストレスに対してどのように対処るすか

解説:カウンセラーとして成長するためには、生まれた家族から分化して無意識のうちに情動的に反発する行動を少なくすることが一番能率の良い方法。

感情的な反発行動が出現した時に、現実の両親や兄弟に反応しているのか、自分が創ったイメージに過剰に反応しているのか考えてみる。


<参加者より>

「転移」も考えられる

<練習6-6>

親から拒絶され、適切な愛情を得ていないと感じている子供(中学2年生の女子)に対し、どうしたらその気持ちを克服できるかを考える

両親は疎遠で関係は断絶している。両親ともそれぞれの親と断絶している。

解説:この夫婦の行動は、自分が変化するというより、周りの人間を思い通りに変化させることで問題を解決しようとしている。

他人を変化させることが困難な場合、自分が引きこもるか、趣味や仕事に没頭して問題から逃げる。

過去、両親と断絶することで問題を解決した人は、問題解決を情緒的に距離を置くことで解決しようとする傾向がある。


<参加者より>

・両親は子供の気持ちを理解していない

  • 子供が分化レベルを上げるには、親の立場の理解が必要ではないか(13、14歳でそれは可能なのか)
  • 親子双方の話を聞かないとわからない
  • カウンセラーとしてこういった相談を受けた場合、背景に基本的分化・機能的分化といった問題があることも知識として知っておく必要があると感じた
  • アドラーの夫婦関係についての考え方に「尊敬と感謝」がある
  • この夫婦の妻は困っているようだが、夫は改善しようと思っているのか

②近況報告・時事問題:

  • 認定心理士の学習と資格取得のプロセスについて
  • 経済状況について(自動車産業が衰退したら日本の産業はどうなるのか)
  • 情報技術について。個人情報の取り扱われ方について・コロナウィルスの感染について。参加者が風邪・インフルエンザとの症状に違いについての一覧など、新聞記事を配布
  • 来年のオリンピック開催は妥当なのか など

4.次回について

〇実施項目:①カウンセリング練習帳を用いた学習を継続 ②参加者からの相談、検討したいテーマ(時事問題など)について

日時・場所:

10月24日(土)予定

14:00~17:00

白井コミュニティーセンター

(★いつもの2ヶ所ではありませんのでご注意ください★)






2020年8月24日月曜日

2020年8月22日(土)実施報告、9月26日(土)予定

1.参加者:4名

2.場所:白井駅前センター 研修室1

3.実施内容:

①学習内容:

教材『カウンセリング練習帳ー人間関係システム視点ー』(水野修次郎著、ブレーン出版)を使用。

第6章  家族カウンセリング 91P

1-セルフの分化

家族カウンセリングで注意が必要なのは、家族の機能レベルを評価する目安。その目安となるのが、ボウエンのいう分化の程度。

(1)セルフの分化

家族一人ひとりの分化が不十分だと、家族の情動が一つの大きな固まりとして作動する。

分化がある程度達成されている家族の人間関係は、互いの違いを尊重し独立した人格としてお互いを認める。

<練習6-1>

家族の人間関係では、どのような場合に一体化しようとする力が働くか考える。

各自で考えて発表。

  • 両親が不仲な子供が、怪我をして両親の関心を引く
  • 母親と息子の仲が良い場面に父親が登場。母と息子の関係が変化
  • 戦時中など危機があると一体化して今より仲が良くなる
  • 子供の病気など、家庭内に問題が起こると全員を同じ方向に向かわせようとしてお互いを修正しようとする

解説:家族の中の不安が強くなると「分化」の力より「一つになろうとする力」の方が強く働く。

不安を感じると個人は、不安の程度に従って自動的に、反射的に不安に駆られて行動するようになる。

この行動をボウエンは、情動の反発性とか情動の反射作用と呼んでいる。この情動は本能に近く、ほとんど自動的に行動するようになる。


<練習6-2>

分化の程度を計測する目安となるものがあるか。あるとすればそれは何か。

解説:分化の程度を計る目安となるものに以下二つがある。一つはその人の両親が出生家族からどの程度分化しているか。

もう一つはその人自身が両親、兄弟、その他の重要な親類からどの程度分化しているか。

一体化の圧力が低いとその人は自分で考え行動し、感じるようになる。

1)分化レベル

0~25:この範囲の人は主に感情の世界に住んでいる。生活のエネルギーの大半が、愛情を得ているか、あるいは愛情を注いでいるかという思いに費やされる。

25~50:これから分化していける能力がある。自己の信念や確信がないので流行の考え方を受け入れてしまう。「思想カメレオン」。

50以上:知性のシステムが出来上がっていて、自己で意思決定ができる。

60以上:場に応じて「知性のシステム」と「情動のシステム」を選ぶことができる。

75~95:不適応の症状を出さずに、強いストレスがあっても安定した生活ができる。

95~100:このような高い分化を達成した人は今まで観察したことはないが、理論上ではこのレベルの分化は可能。

<参加者より>

  • 「分化」という概念を始めて聞いた。
  • 知人に分化について当てはまると思われる人がいる。


②近況報告・時事問題:

  • コロナの影響でメンタル不調者がさらに不安を感じて体調を悪化させている事例がある。自殺者が増える懸念。失業者が徐々に増えてきており求人は減っている。
  • コロナウィルス感染での死亡者よりインフルエンザや車の事故での死亡者のほうが多い。感染が長期化しそうなので正しく予防するしかない。
  • インターネットの活用について。通販をうまく活用して外出を減らしている(価格面でお得になるメリットも)。
  • 一方で中国のような国による監視は心配。頭の中で自由に考えることもできなくなるのでは。
  • インターネットは検索履歴の削除ができる。
  • 公認心理士・認定心理士と精神保健福祉士の学習内容や資格取得後の活躍の場について。
  • 「寂しい」「孤独」と感じるときはどんなときか。秋に寂しさを感じるのは日没が早いから?、夏が終わってしまうという感情?
  • 秋のおいしい食べ物を思い浮かべるので感じない。考え方次第か。
  • 職場で自分の考えに賛同してもらえない時に孤独を感じる、など。

4.次回について

〇実施項目:①家族カウンセリングDVD視聴 ②カウンセリング練習帳を用いた学習を継続 ③参加者からの相談、検討したいテーマ(時事問題など)について

〇日時・場所:9月26日(土)予定 

14:00~17:00/白井駅前センター 研修室2




2020年8月2日日曜日

2020年7月25日(土)実施報告、8月22日(土)予定


1.参加者:4名
2.場所:白井駅前センター 研修室2
3.実施内容:
①学習内容:
家族カウンセリングDVD視聴 『説き明かし・私の家族面接 初回面接の実際』
(1)前回に続き、福山和女先生(ルーテル学院大学 総合人間学部教授)編

<面接者による介入とフィードバック>
9)カウンセリングの途中で先生から座る位置の変更を提案:
     家庭内で両親の葛藤を見たときに娘は自室に移るなどして両親の葛藤を避けていた
     ことから、先生は両親 の間の葛藤が、娘が耐えられるのかを確認。娘が同じ場での
     カウンセリングの継続に同意したことで、娘が耐えられることを読み取る。
   また、先生は母親の正面に座り母親を支える役割を意図した。

10)娘が生まれる前、両親の出会いや妊娠当時について家族それぞれに質問:
       娘は結婚の経緯を知らなかったため、主に両親に質問。
     結婚は恋愛で、娘の妊娠を一番に報告したのは父親で、ケーキを買ってきてくれた
       ことなどが話される。
     先生がそのことを要約し、娘に「すごく期待して生まれた」ことを伝える。
       出生の原点を聞くことは、娘が自分の存在意義を知る重要なことである。

11)カウンセリングのまとめと今後の進め方について:
       先生が、今後5~6回のカウンセリングが必要と考えていること、今日は結論は
       出ないと伝えると、父親から「次はいつか、頻度はどの位か」などと質問が出た
       ため、先生は「お父さん、急いでいらっしゃいますね」と切り返す。
     今後の進め方について両親と娘に参加意思を確認。また、先生は今日の
       カウンセリングに参加していない息子の参加も提案。
     父親はADHDの息子が落ち着いて参加できないことを懸念しており、娘の相談なの
       に息子を連れてくることが必要なのか疑問がある様子。
     この場面について先生は、父親について「カウンセリングの場」であることを理解
       しておらず、息子とのことと言いながら、自分の孤立を訴えたかったと読みとる。
     加えて父親は、先生に何度くる必要があるのかを尋ねるなど、人の権威を使おうと
       していると読み取る。
     この場面の振り返りを両親と娘にも実施。
     父親「息子を連れて来ていいと言われ世界が広がったような気がする」
     母親「落ち着きがない息子を連れてくるのは心配だが、娘が気持ちを明らかにして
       いる ので息子もそうなって欲しい」
     娘「学校に行っていない自分を見ている弟も学校に行きたくないと言っているので、
       ここでいい影響を受けて欲しい」

12) 母親からの訴え「家に帰り娘にどう接したらいいか」という質問への対応:
       先生は娘に、「お祖母ちゃんにお母さんが、あなたのことを相談したらどう答える
       と思う?」と質問。
     この意図は「今の問題は家族で解決するのもので、私は解決者ではない。
       そのことを意識させるため視点を家族に戻す」狙い。
     また、母親の、父親(娘にとって祖父)の喪失体験が大きく、夫が
       受け止めてくれないため娘に向いているが、娘はまだ思春期で受け止めきれず
       逃げている、とも読み取る。

<最後に全体のまとめとして解説>
・構造的家族療法の形式で面接が展開
・セラピストは母親をフォローしている
・人間は1人ではなく多くの複合体でできていることが理解できる
・家族の力を信じ、家族にゆだねている

②近況報告:
・コロナウィルス感染や若手俳優の自殺の件などについて話し合った。

4.次回について
〇実施項目:①家族カウンセリングDVD視聴 ②参加者からの相談、
  検討したいテーマ(時事問題など)について

日時・場所:8月22日(土)予定 14:00~17:00白井駅前センター研修室1




2020年6月29日月曜日

2020年6月27日(土)実施報告、7月25日(土)予定

1.参加者:4名2.場所:西白井複合センター研修室3.実施内容:

①2019年度会計報告と2020年度実施計画について

 (1)会計報告
 (2)20年度実施計画 ・日程について:

原則毎月第四土曜日の14:00~17:00で開催(12月はお休み)

予定は以下の通り
8月22日(土:白井駅前センター 研修室1)
9月26日(土)
10月24日(土)
11月28日(土 15:00~。学習会終了後、忘年会を実施予定)、
2021年1月23日(土)
2月27日(土)
3月27日(土)

7月25日(土:白井駅前センター 研修室2)、


(3)学習内容について:カウンセリング練習帳、時事問題、参加者からの提案事項など

②近況報告

3ヶ月ぶりの顔合わせとなったため、各自の近況を報告。家族を含めた健康、介護、新たな学習への取組みなど


③学習内容:家族カウンセリングDVD視聴 『説き明かし・私の家族面接 初回面接の実際』


(1)福山和女先生(ルーテル学院大学 総合人間学部教授)

<初回面接:テーマと登場する家族は前回と同じ>中学2年生の娘が夏休みから不登校となり、学校に相談した母親が福山先生の相談室を紹介され、父親(夫)を伴い3人で来訪。


福山先生は立って家族を出迎え。それぞれに「好きなところにお座りください」と声をかける。


着席後は自分の自己紹介と、それぞれに「何と呼んでほしいか」を確認。家族で短いやりとりがあり両親は「お父さん」「お母さん」、娘を「和美ちゃん」と呼ぶことで同意。


相談に至った経緯も「お母さんから説明してもらうか、または和美ちゃんから?」と確認。母親が経緯を説明。


母親が学校の担任から紹介されたことに触れると、福山先生は担任の性別も確認。性別の確認は重要とのこと。


また、福山先生は、3人で相談に来ると思っていなかったと話し、父親・娘がここに来ることについてなぜ同意したのかを尋ねた。


母親の話では、担任に相談した際父親も同伴したほうが良いと言われたこと、娘は学校でスクールカウンセラーに相談するより、周りに知られなくて済むから来てもいいと思ったと説明。


福山先生はここで家族構成を確認。小4の息子がいること、名前を父親から一文字とっていることなどが確認された。


その際に娘の命名のエピソードが披露され、娘は母方の祖母の名前から一文字取っており、それを父方の祖父が快く思わず、息子が生まれた際にはその祖父の名前一文字を取って命名されたことなどが、主に母親から話された。


福山先生は、両親の年齢や結婚時の年齢を確認。また、娘には父親の職業を知っているかなどを質問。


続いて娘が学校に行けなくなった経緯、中学入学と同時に始めた部活(テニス)について確認していく。部活を始めたのは娘の意思、母親は「できるの?」と思ったと振り返る。


この後部活に行けなくなった経緯を父親も交えて話していたが、母親の態度(先生は「つまらなそうですね」)を見て母親に話を向けた。


母親は「実家の母に相談したいが心配をかけたくないので話していない」「娘にはどう接していいかわからない。腫れ物にさわるようになっている。


夫は仕事の帰りが遅く話を聞いてくれない」と話す。


福山先生は娘に対し、母親が心配していること、母親との関係(娘が自分と母親の会話がずれると感じている)、両親のすれ違いの様子を観察したうえで、「両親に別の部屋に行ってほしい?」と質問。娘は同席してかまわないと回答。
この後、両親の、受験を控え早く学校にいけるようになって欲しいという会話の後に、福山先生は娘に弟の話を聞かせてほしいと話題を変える。
娘の話から、小4の弟はADHDで落ち着きがなく、母親がたびたび学校に呼び出されていることがわかる。
この後福山先生は娘に対し「あなたが生まれる前のご両親のことを聞いてみようか」と話しかけ、両親に結婚の経緯を話してもらう。


両親は職場の同僚で恋愛結婚だったこと、娘を妊娠したことを告げると父親はケーキを買ってきてくれたことなどが語られた。


これを聞いた福山先生は娘に対し「すごく期待されて生まれたんだね」と伝える。この後小4の弟の話題に変わる。


父親から、娘が落ち着きがない弟の面倒をよく見てくれたこと、小3の担任との相性が悪く専門家に診てもらうことを勧められたことなどが話される。


家族全体の話題になっていることに対し福山先生は娘に「こんな感じの話し合いはどうですか」と尋ねると、娘は「もっと学校のことを聞かれると思った」と回答。


この後今日の面談のまとめに入り、今日は結論が出ないこと、あと5、6回程度の面談が必要であること、次回からは弟も同席させようなどの説明があった。


<面接者による介入とフィードバック>

  • 入室の件:娘が最初に入室するとは思わなかった。父親はノートを持参し母親・娘に入室を促すなどリーダーシップをとっている。
  • 相談者の呼び名を確認した件:ここでも父親がリーダーシップをとっている。母親は父親の発言の上げ足をとっている。
  • 娘の担任の性別確認:性別の確認はとても重要。母親が女性の話をよく聞く傾向。祖母との関係性も。女性に安心感があるのか。
  • 相談の経緯(学校の先生に勧められ件):弟の専門医の受診の件も含め、権威に対する距離感の把握。
  • 家族構成の確認
  • 命名の経緯:両親のそれぞれの実家とのぶつかりと力関係の把握。
  • 学校にいけなくなった経緯:母親の「テニスのどこがいいの?」などの態度。自分が納得しないことをけなす。価値下げをしている。
  • 母娘の会話に対する父親の感想:母親の娘・息子に関する心配を誰が受け止めているのか。実母に相談したいができないと言っている。女性に相談できる人。
  • 続きは次回。

4.次回について

〇実施項目:①家族カウンセリングDVD視聴(福田先生編の続き) ③参加者からの相談、検討したいテーマ(時事問題など)について

〇日時・場所:7月25日(土)予定 14:00~17:00/白井駅前センター 研修室2





2020年3月4日水曜日

2020年2月29日(土)実施報告、3月28日(土)予定

1.参加者:4
2.場所:西白井複合センター研修室
3.実施内容:

(1)学習内容:家族カウンセリングDVD視聴 『説き明かし・私の家族面接 初回面接の実際』

中村伸一先生編(中村心理療法研究室室長)

<初回面接>
中学2年生の娘(ip)が夏休みから不登校となり、学校に相談した母親が中村心理療法研究室を紹介され、父親(夫)を伴い3人で来訪。

中村先生(CO)はまず、面接を申し込んだいきさつから質問。
学校に行けなくなったのは中2の夏休みからで、部活(テニス)は中1から行っていない。娘は「お母さんに誘われ、断るり理由はないので来た。緊張している」。

CO:学校に行けないことをどう思う?
娘:行けるならいきたいけど好きな場所ではない
母親:来年受験だから、たくさん休むと大変

COの質問で、学校の担任、養護教諭とスクールカウンセラーで方針に違いがあることが判明。

休み始めた当初は授業に関するプリントや友達からの手紙が届けられていたが、スクールカウンセラーの「今は様子を見よう」という判断で担任訪問やプリント配付が停止。

また、面接の中で両親の関係が浮かび上がる。
主に母親から、仕事を理由に娘の不登校について無関心な父親を非難する発言がたびたび出る。

例えば
「今日は心配しているから来たのか、私たちの悩みに関心がないと思った。何をいまさら、という感じ。今日だけ良い父親になっちゃって」など。

COは、これに焦点を当てず、学校側の足並みがそろっていないことを指摘すると共に、学校側が父親に期待していることがあるから今日の面接同席を勧めたのではないか。もし希望するなら、次の面接も約束し、その場に担任と養護教諭の同席を提案。

娘は「養護教諭は話しやすい。来てくれて話せないことを話してもらえたらうれしい」と同意。

COから次回の面接に担任と養護教諭を呼ぶ役割を父親に依頼。普段担任と話していない父親は戸惑いを見せたため、まず母親が電話し、その後父親に代わる方法をアドバイス。今日のまとめや今後の方針も説明。具体的にはスクールカウンセラーにも協力して欲しいと考えている。

娘に対し⇒不登校を心配している父の気持ちが理解できたか。プリントは持ってきてほしいと自分で伝えられるよう頑張ってほしい

など。

面接の終盤、COは「爆弾質問」と前置きして娘に学校に行けなくなった理由・きっかけについて質問したところ、女子のグループに入れず孤独感を感じていると答えた。

これを受け、COは思春期の女子によくあることで、とても大事な試練であると解説。

次回の約束と本日のおさらいをして面接を終了。

<面接の要点をピックアップして解説>
  1. 面接室に机は置かない:体のメッセージ(例えば貧乏ゆすりなど)がわかりやすい。
  2. 相談に来た経緯を聞く:誰が誰に勧められて来ているのか。関連人物の関係がわかる。
  3. 父親は何の情報で来たのか:面接に参加した気持ち・動機がわかる。
  4. 本人(娘)の出向くときの足取りが重いのか、軽いのか。担任や養護教諭との接触はどの程度なのか。
  5. 本人の学校復帰への気持ち。早く戻りたいのか、ゆっくりしたいのか、戻りたくないのか:本人のスピード感を確認。
  6. 学校側の足並みをそろえる必要性を伝える:家族システムと学校システムのかみ合わせの改善が不登校の解決に重要。
  7. スクールカウンセラーの「様子を見よう」という発言は良くないと思い指摘したが、父親が同調したのでそれ以上踏み込むのはやめた。
  8. 家族の意向と、本人のスクールカウンセラーに対する意向の確認:家族のネガティブな感情が今後スクールカウンセラーとの接点で出るのはよくない。
  9. 学校側の足並みの揃わなさを確認:できるだけ双方が歩み寄って協力して進めたい。という中村先生の目標を説明。
  10. 娘の気持ちを確認:娘の独りぼっち感に母親が初めて気が付いた(本人の意向に添っていない介入をしていることの明確化)。娘も「自分の気持ちがやっと親に伝わった」
  11. 両親の関係(母親が父親の悪口を言う):娘の不登校を早く解決したいので、あえて母親の訴えは聞かない。両親はじめ関係者の足並みが揃えばいい。
  12. リフレーミング:父親に対する母親の何をいまさら」という発言をいよいよという時にお父さんが登場」言い換え伝え返す。
  13. 面接に担任・養護教諭を参加させる:不登校の対策に関係者が集まることは有効。 中村先生の存在を利用して父親に頼んでもらう。
  14. 爆弾質問「クラスで何かあったの」:本人が面接に馴染んだのを見計らって。涙を流す娘に、父親からティッシュを渡してもらう。中村先生から父親への「ここで一肌脱いでほしい」というメッセージ。
  15. トイレ友達の話:思春期はトイレに友達と連れ立って行くが、これは思春期心性の一つで、その友達がいない孤独感を両親にわかってもらうための心理教育。
  16. 両親や先生に協力してもらえる自分が変わればこの先の人生が変わる:試練を乗り越えて強くなれれば先々の人生が変わるという勇気づけ・保証。エンパワーして面接を終わる。
<中村先生からのメッセージ>
  • 家族、本人、学校のどれか一つを問題視しても問題解決にはならない。ギアをうまく組みあわせることが重要。潤滑油の役割。
  • 爆弾発言は、本人にとって安全な構造を作ってから。
  • 家族関係など、壊れていないならあえてそれは直そうとしない。


<参加者の声>
  • こんなアプローチもあるんだ、と視野が広がった。
  • 壊れていないならあえてそれは直そうとしないという発想は勉強になった。


2)時事問題討議
  • 野田の虐待事件について。難しいケースもあると思うが、相談を受ける側は威圧的に迫ってくる人物に対しては、警察とも連携して断固屈しない姿勢が必要。
  •  組織も体制を整えてほしい。専門職の体制(少人数で対応している)や処遇の改善は必要。
  • 映画「告白」で虐待を取り扱っている。


(3)次回について
〇実施項目:
①カウンセリング練習帳を用いた学習を継続 
②家族カウンセリングDVD視聴 
③参加者からの相談、検討したいテーマ(時事問題など)について

〇日時・場所:328日(土)予定 
14001700
白井駅前センター研修室2











2020年1月13日月曜日

2020年1月11日(土)実施報告、2月29日(土)予定


1.参加者4名
2.場所:白井駅前センター 研修室(2
3.実施内容:
①学習内容:前回から継続
教材『カウンセリング練習帳―人間関係システム視点-』
(水野修次郎著、ブレーン出版)を使用。

5   家族システムの見方 85

5-脱三角関係
家族カウンセリングにおいて、カウンセラーは家族に見られる三角関係を科学者のように冷静に、客観的に、観察し、どこの関係に三角関係が顕著に作用しているかを発見することに努める必要がある。また、脱三角関係とは、誰にも組みしない中立の立場を確立することである。

カーとボウエンは中立を次のように定義している。
「中立とは自己の観点を守ることや、あるいは他人の意見を変えることに情動的に関わることなしに、自己を定義できる能力に反映されるものである。」

練習5-8
あまりにも密接な関係のために、お互いに過干渉となっている母娘の事例。当初は感情的な反発が目立っていたが、カウンセリングを続けた結果、最近は多少距離が取れるようになった。
カウンセラーは母娘の両方から、自分の味方になって相手を攻撃するようにと誘いを受けている。母親がカウンセラーに向かい、「この子はいつもこのように意気地なしだから」と発言。母親の、カウンセラーを三角関係に巻き込む誘いだが、あなたはどう対応するか。

各自考えて発表。
・「お母さん、よく娘さんを観察していますね」とねぎらいつつ、意気地なしと発言した
   意図を確認する。
・「娘さんの肩を持つつもりはありませんが、お話に具体性がないとカウンセリングが難
   しいですね」と、何について、またはどのようなことについて意気地なしと感じている
   のか、発言の意図を確認する。
・娘に対し「お母さんが意気地なしと言っているが本当にそうなのですか」と、母親が意
  気地なしと指摘した発言、または行動の背景にある気持ちを聞かせてほしいと伝える。

<参加者の声>
カウンセリングの一場面、一言だけを取り上げているため解釈が難しいとの声。

<解説より>
カウンセラーは、母娘の間に存在する人間関係のプロセスに気づき、そのプロセスを正して「こうあるべきである」という気持ちに駆られないこと。
母娘の関係を変えるというより、二者をともに動かすことを考えるべき。カウンセリングの効果が少ないときに、カウンセラーが親や子供に腹を立てたり感情的になったり冷淡になったりすることもあるが、このようなときは三角関係に巻き込まれている証拠である。


練習5-9
父親との関係に悩む中2女子C子さんの事例。C子さんはいつも父親に叱られており、ひどい時にはブス・頭が悪いと言われる。ところが時に優しくなり物を買ってくれたりする。
C子さんは自分が父親から愛されているのか嫌われているのかがわからない。ひどいことを言われると惨めな気持ちになり自分を傷つけたくなる。

各自このケースの対処の仕方を考えて発表。
C子さんの自己肯定感を高めること、父親の態度に右往左往せず自分の基準で考えられる
 ようになることを目標に、父親のことをどう思っているのか、自分のことをどう思ってい
 るのかを聴いていきたい。
・父親の優しいとき、叱るときはどんなときなのか、まず事実を確認。本当に叱っている
  のかC子さんの認知を確認する。どうしたら叱られなくなるのか・叱られることが減らせ
  るのかを一緒に考える。
・「自分を傷つけたくなる」という訴えを見逃さない。どの程度の行為か事実確認。その
  上でC子さんの心理的リアリティを全面的に受け止める。
・父親の叱っているとき、優しいときはどんなときなのか、C子さんに思い当たることがあ
  るのか確認してみる。その上で父親の態度がC子さんのせいで変わるのではなさそうと気
  づいたり、父親の態度で一喜一憂しなくなるように支援したい。

<参加者の声>
解説に「父親を一人の特色ある人間として理解し、欠点も長所もあわせ持つ人格として理解する」とあったが、中2でそこまで理解できるものなのか。まだ家族は絶対的なものではないのか。今の子供にここまで理解できるものなのか。


練習5-10
三者の三角関係とそうでない関係の違いを考察。

<解説より>
・三角関係でない関係とは、たとえば「他者を修正したいという強い感情を持つことなし
  に自分の意見が表明できる」
・三角関係がもつれている例とは、たとえば「一人ひとりは、他者に対して感情的に反発
  し、反動的な行動をとる」
  三角関係がもつれると、二者の行動は自由でなく、いつも他者と密接に関係している。


②時事問題について

次の項目について意見交換がなされた。

・家庭内の不適切行為を未然に防止するための方策について
IOT社会におけるセキュリティ対策や操作性・親和性について

4.次回について
〇実施項目:
①カウンセリング練習帳を用いた学習を継続 
②家族カウンセリングDVD視聴 
③参加者からの相談、検討したいテーマ(時事問題など)について
〇日時・場所:229日(土)予定 14001700/西白井複合センター研修室




2019年12月2日月曜日

11月30日(土)実施報告、2020年1月11日(土)予定

1.参加者:5名
2.場所:白井駅前センター 研修室(2)
3.実施内容:
①学習内容:前回から継続
教材『カウンセリング練習帳ー人間関係システム視点ー』(水野修次郎著、ブレーン出版)を使用。

第5章   家族システムの見方 84P

4-三角関係
練習5-7:各自、以下3つのシーンを思い浮かべ、自分の三角関係について考えてみる。その後自分の感じ方・話し方の変化について発表。
(1)居間で父親と話しているところへ、母親が来た。
   あなたはどのように感じるか、話し方はどのように変化するか。
(2)居間で母親と話していたところへ、父親が現れた。
   あなたはどのように感じるか、話し方はどのように変化するか。
(3)両親の居間で兄弟の誰かと話している。そこへ両親が現れた。
   あなたはどのように感じ、話し方を変えるか。

<参加者の声>
(1)について
・話の途中なので、話しに入って欲しくない。
 または話が揉めているような内容であれば仲裁して欲しい。
・(子供の頃のことを思い浮かべ、自分が反抗期だったため)黙っている。
  母親が代わって回答していた。
・(子供の頃は父親に対して緊張感があったり、母親のほうが好きだったので)
  母親の登場は嬉しかった。
・話し方は変わらないが、父親との会話の内容を母親に説明する。

(2)について
・(父親は会話に口を挟まないタイプなので)話を聞いて一緒に考えて欲しい。
・母親の理想像を求められていたと感じていたので反発していた。
 その様子を見た父親はフォローしてくれた。
・父親の登場には緊張した。
・母親との会話に対し、父親が何を言い出すかと警戒した。
・(最近の母との会話は父親の老い関することが多いため)会話を中断し、
 話題を変える

(3)について
・両親に、兄弟で話していたことを説明する。
・家族の話題は止めて話題を変える。
・兄弟の間で通じる(親に対する)替え歌などを歌っていた。
・父親がいると緊張するので嫌だった。

解説より:
父親が長男の問題で母親を責めると、母親は父親の責めを受ける犠牲者となる。
この様子を見た長女が父親を責めると、長女は母親の救助者となり、攻撃を受ける父親が犠牲者となる。
この様子を見た長男が「家族で言い争うのは止めて欲しい」と訴えることで、長男は救助者となり家族の緊張を逸らす役割を担う。

②回想法について:メンバーの一人が参加した回想法学習会について印象に残ったことを発表。
・回想法では10歳~15歳の頃の楽しい思い出をレミニン(相談者)に話してもらう。
・レミニシャン(インタビューする人、心療回想士)は楽しい話に共感する。嘘と思われる話でも追及しない。
・悩み相談は別の相談窓口を紹介
・回想法は認知症に効果があるとされ、予防が大切。

☆彡✨✨今回は学習後少し早い忘年会を開催。いつもの鳥のごんすけ。美味しい鍋と舌がとろけそうな焼き鳥に満足満足。

4.次回について
〇実施項目:①カウンセリング練習帳を用いた学習を継続 ②参加者からの相談、検討したいテーマ(時事問題など)について
〇日時・場所:2020年1月11日(土)予定 14:00~17:00/白井駅前センター 研修室(2)
★2019年12月の開催はありません。また、次回の日程が変更になりましたのでご注意ください。


【産カ北チ】2020年9月26日(土)実施報告、10月24日(土)予定

1.参加者:4名 2.場所:白井駅前センター 研修室1 3.実施内容: ①学習内容: 教材『カウンセリング練習帳ー人間関係システム視点ー』(水野修次郎著、ブレーン出版)を使用。 第6章  家族カウンセリング P97~102 1-セルフの分化 家族カウンセリングで注意が必要なのは、...